NANO UNIVERSE 25th ANNIVERSARY
SPECIAL INTERVIEW
kiki vivi lily
NANO universeのアイテムを通して
気づいた新たな自分
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甘い歌声と多様性に富んだメロディー、そして心に寄り添うセンスフルなリリック。kiki vivi lilyの楽曲を聴き終えた後に感じる心地よさは、甘酸っぱい短編小説か、はたまたセンシティブなショートムービーと出会ったかのようでもある。そんな彼女がmusic from NANO universeに登場。自身の音楽観やファッション、そして25周年を迎えたNANO universeについてを存分に語ってくれた。
kiki vivi lily 「NANO universeさんはすごく洗練されているイメージが昔からありました。以前住んでいた街の駅ビルにも入っていて、見つけた時はテンションが上がりましたね(笑)。 近くにあると安心というか…なんて言うんでしょう、長く住んでみないとその街がどういう場所かなんて分からないじゃないですか。けれど、素敵なセレクトショップがあるとどこか洗練された街なのかもって思っちゃいますよね。」
そして今回、撮影で実際にあらゆるアイテムを着用。喜びや楽しさを感じながら、新たな発見もあったと目を輝かせる。
kiki vivi lily 「シンプルで洗練されているというイメージから、もう少しビジネス寄りなのかなと思っていました。ただ今回、いろんなアイテムを着させていただいてラインナップの幅に驚きましたし、さまざまな着こなしを楽しめるアイテムが多いと感じましたね。」
さらには、普段と異なるテイストのアイテムに触れたことで個人的な気づきもあったとか。
kiki vivi lily 「普段はストリートっぽいファッションが多いんですけど、今日着てみて女性らしい着こなしもありだなっていうか、新しい自分の見せ方みたいなのを提案していただいた気がして新鮮でした。たとえば、この2ルックめ。ドレッシーな服にパンプスを合わせる格好ってあまりしなくて、いつもブーツとかでハズしちゃうんですよ。でも、パンプスでも合う年齢になったんだな~って(笑)」
ほかにも、気になった着こなしやアイテムがたくさんあったと楽しそうに話してくれた。
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kiki vivi lily 「ムートンのアイテムもいいですよね。すごく温かくて、オーバーサイズのシルエットも気に入りました。レザーやムートンといったアイテムに関してはこれまでも着てきました。わりとハードめが好きなんですよね。そういうと驚かれますけど、結構アナーキーな部分もあるんです(笑)。 基本的にはウィメンズか、メンズかにはこだわりません。というか、むしろメンズアイテムを着る方が多いかもしれませんね。今日穿いてきた私服のボトムスもメンズですし。だから余計に女性らしいアイテムがとても新鮮に映りました」
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楽曲から垣間見える

アーティストとしての矜持
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アパレルデザインからもセンスの一端が垣間見えたが、本業である音楽作りについても気になるところ。そのインスピレーションの源へ話を向けてみた。
kiki vivi lily 「映画好きなのでそこから着想を得ることはあります。ミュージカルなどの演劇も同様。そういうところから触発されて作る場合は多いと思います。あとは、旅行も大好きなのでそこで見た景色や街並み、体験から影響を受けることもありますね。聞いている人が旅をしている感覚になるような、日常というよりもちょっと違う世界に行けるみたいな楽曲が作れたらいいな、とは常々考えています。」
とはいえ、違ったアプローチで作った楽曲もある。例えば、2nd Full Album『Tasty』に収録され、全国30局のFMラジオやInstagramのリールで多く取り上げられた『Lazy』だ。
kiki vivi lily 「この作品に関してはわりと曲選考曲先行だったので、そこにハマる言葉を探していった感じです。私は明確に何かを言うのが苦手で…。なので結果、夢の中というか、ドリーミーな感じになっちゃうことの方が多いんですよね。」
同時期に作ったという『whiskey』も同様で、こちらでは、さらに彼女の楽曲における嗜好性やこだわりが垣間見える。
kiki vivi lily 「切ないけれどちょっと前向きになれる、やるせない内容だけれどメロディー自体がちょっとポップ。個人的にはそんなアンバランス感を表現しながら、そのちょうどいい着地点を探すのが好きなので、これに関しては上手い具合に表現できたのではないでしょうか。」
その背景には、社会経験を経てデビューしたというバックボーンの影響もあると語り、それについてはポジティブの何ものでもないと熱を込める。
kiki vivi lily 「そもそも音楽をしたいという想いはありましたけど、一度社会に出たいという気持ちもあったんです。そこで得たスキルや考え方は、フリーで音楽活動をする助けとなりました。それを考えると社会人としての基礎を叩き込んでくれた会社には感謝しかないですね。それに、聞いてくださっている方で会社勤めの方もいらっしゃると思いますけど、経験しているがゆえにそういった方々の日常を想像できたり、寄り添えたりできるところもいいのかなと。」
いつまでもワクワクしていたい、を
原動力に
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そんな彼女が発信する音に見る幅広さは、これまでの経験則だけではなく2018年に加入したクリエイター集団、Pitch Odd Mansionでの活動も影響しているよう。
kiki vivi lily 「ソロとは違う経験を得られるのが大きいですね。やっぱり仲間がいることでモチベーションになりますし、一人じゃないと感じられる。それに、みんな本当にやりたいことをやっていて世の中に迎合していないんですよ。そういうのを見ていると、私も自分に正直にやりたいことをやればいいんだと気持ちを軌道修正できます。それに第三者の目線は重要。」
「バンドもやってみたい」と今後の活動に意欲を見せる彼女。とはいえ、そこに込める想いは今も変わらない。
kiki vivi lily 「結構、アノニマス的に活動してきたので、ちゃんと自分を開示することで聞いてくれる人の中で私と曲が繋がれば、もっとファンとの距離を縮められる気がします。それで、聴き終えた時に少しでも前向きな、ポジティブなものが残るというか、肯定されているみたいな気持ちを受け取ってもらえたら嬉しいですね。言葉だけじゃなくサウンドや雰囲気など、伝える方法はひとつじゃないと思うので。」
最後に、NANO universeが25周年を迎えたことにちなみ、自身の25年後を想像してもらったら彼女らしい答えが返ってきた。
tonun 「ライブでは、自分の曲を歌詞も見ずに歌えるぐらい聴き込んでくれているのが伝わってくるとやっぱり嬉しいですよね。本当にありがたいなって思います。特に弾き語りはオーディエンスとの距離が近いですから、一人一人の顔が見られますしその距離感を楽しみたい。お互いの感情をキャッチボールしやすいので、多くの方とコミュニケーションをとりたいですね。」
kiki vivi lily 「そうですね~...。想像できないところにいてほしいですかね(笑)。 予測不能でありたいというか、ひとつのところに留まっていたくない性格なので。そして、常にワクワクしていたいですね。その時々の感覚を大事にして過ごしていけたらいいなって。でもそれって大切だと思いますよ。私はメンズ服も着ますしストリートな着こなしもする。もちろんスカートも穿きます。その日の気分で自由に服を選ぶんですね。だから皆さんも、決めつけは捨てて自分で好きなものを着てほしいし、自分に正直に日々を過ごしてほしい。そして、私の曲も聴きたいムードに合わせて聞いてくれたら嬉しいです。」
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(キキビビリリー)
tonun
2015年より創作活動を始め、2019年に1st Full Album『vivid』でデビュー。専門誌などから高評価を獲得し、同年にはスペインでの海外初公演も成功させる。2021年の2nd Full Album『Tasty』では、ラジオやリール動画などで注目を集めた収録曲の「Lazy」がスマッシュヒット。昨年リリースした新作EP『Blossom』も音楽好きから高支持を得る。また、HIPHOPクルーのPitch Odd Mansionにも在籍し、今も楽曲作りやライブを精力的に行っている。
Photography : Sotaro Goto
Model : kiki vivi lily
Hair & Make-up : Yuko Hosoya
Casting : Masaru “runpe” Kato
Edit : Ryo Kikuchi
Web : Masaki Hori
Direction : Moe Ichiji