都市型ダウン 最適解 | NANO逸品100 Vol.5

冬のアウター選びは、意外と悩ましい。屋外の寒さには備えたいが、屋内や移動中まで重装備ではいられない。そんな都市の冬に合わせて、今季ナノ・ユニバースから見逃せないダウンジャケットが登場した。

世界のアウトドアブランドやファッションブランドにダウンを供給してきたALLIED Feather + Down(アライドフェザーアンドダウン)の羽毛を使い、ナノ・ユニバースが都市の暮らしに合わせて仕立てた2型。膨らみすぎないすっきりとした都会的なシルエット、光沢を抑え手触りも上質な表地、そして真冬の屋外では心強く、電車の中では持て余さない、日常使いにちょうどいい暖かさ。街で働く人が冬のアウターに求めるものが、過不足なく詰まっている。

その羽毛には来歴がある

ALLIED Feather + Downは1987年、米カリフォルニア州バーノンで、小さな家族経営のダウン供給会社として始まった。当時のダウン取引は、供給元とのつながりが薄いブローカーを介するのが一般的だったといわれる。創業者のSteve Uretskyはその慣習にとらわれず、孵化場や農場と直接契約を結び、品質と透明性を確かめられるサプライチェーンを築いた。

その姿勢は、業界の基準づくりにもつながっている。動物福祉に配慮したダウンの国際的な認証基準「RDS(レスポンシブル・ダウン・スタンダード)」は、大手アウトドアブランドなどが中心となって策定したもの。その開発に、ALLIEDは主要サプライヤーとして深く関わった。現在では北米やアジア、ヨーロッパに拠点を構え、世界中のブランドへダウンを届けている。

象徴的なのが、独自のトレーサビリティの仕組み「TrackMyDown®」。製品に付く下げ札の番号をウェブサイトに入力すると、中に詰められたダウンの産地や、処理された施設を確かめられる。今回の2型にもこの下げ札が付き、内側にはALLIEDのラベルが縫い付けられている。

ラベルに記されているのは、30年以上にわたり、責任ある方法で調達した高性能なダウンを、世界の一流ブランドや冒険家に届けてきたという自負。目に見えない中身にまで説明がつくこと。それが、このダウンを選ぶ理由のひとつになる。

並べてわかる ふたつの答え


同じ場所、同じ光の下に並べると、2型の違いはひと目でわかる。横方向のステッチを効かせ、ジャケットの裾まで覆うミドル丈。ステッチを表に出さず、ボックス型にまとめたショート丈。

共通するのは、600FP(フィルパワー)以上のダウンと、ナノ・ユニバースのオリジナルカラーで染め上げた表地だ。FPはダウンのかさ高さを示す指標で、この数値のダウンが、毎日の外出にしっかり応える暖かさを支えている。表地は光沢を抑えたマットな質感で、遠目には落ち着いた品のよさを、手に取れば上質な触り心地を感じさせる。デイリー使いに心強い撥水機能も備えている。カラーはどちらもブラック・ネイビー・グレーの3色。

スーツの上に 迷わず羽織る


ステッチミドルダウンは、ジャケットの上に着る通勤アウターとして設計された1着だ。丈はジャケットの裾がきれいに隠れる長さで、シルエットはストレート。テーラードの上に重ねても裾がのぞかず、スーツスタイルの印象を崩さない。等間隔に走るステッチがボリュームを抑えつつ、ダウンらしい立体感を残している。

前開きはファスナーとボタンの2重仕様で、冷え込む朝は首元までしっかり閉じられる。ストレートなシルエットは身体まわりにほどよいゆとりを残しながら、余計な膨らみを抑えた設計。暖房の効いた車内でも着ぶくれした印象にならず、混み合う電車での移動にもなじむ。フードは取り外しができ、外せばすっきりとしたスタンドカラーに。フード内側のドローコードで、かぶったときのフィット感も整えられる。

ポケットは胸下とウエスト下の左右に計4箇所。内ポケットはないが、通勤の小物は外側にまとめて収まる。袖口の内側は2重の防寒仕様で、手首から冷たい風が入り込みにくい。

合わせるなら、ダブルのジャケットやウールのトラウザー、タートルネックのニットといった、きれいめな装いがおすすめ。ブラックはネイビーのダブルジャケットに重ねると、開いた前立てから金ボタンがのぞき、黒一色にはない品のよい奥行きが生まれる。ネイビーにチャコールのトラウザーを合わせれば、正統派のビジネススタイルに。グレーはタートルネックと組み合わせて、ノーネクタイの日の通勤にも。週明けの朝、迷わず手に取れる1着になる。

羽織るだけで 休日が整う


ショートダウンは、デイリーなカジュアルシーンを想定した1着。ストレートなボックス型のシルエットは、袖を通した瞬間に肩から裾までのラインが端正に決まる。膨らみすぎない身幅とショート丈の組み合わせは、デニムにもスラックスにも合わせやすい。近所への外出から休日の街歩きまで、気負わず羽織れる軽快さがある。

特徴は、内側の裾に仕込まれたドローコードだ。絞ればふっくらとしたバルーンシルエットに、緩めればボックス型に戻る。1着で2通りのシルエットを着分けられるのが、この型ならではの楽しみ方。

フードは取り外しができ、外せば襟元が軽やかなスタンドカラーとして着られる。袖口にはベルクロ仕様の防寒ベルトを備え、手首からの冷気を防ぐ。左胸には内ポケットがあり、財布やスマートフォンを身につけたまま両手を空けておける。

ブラウンのクルーネックニットやベージュのトラウザーと合わせれば、休日の街になじむ軽やかな装いに。ブラックの表地にはブラウンの温かみが映え、グレーにはベージュを添えて、やわらかなトーンでまとめるのがおすすめだ。ネイビーのニットで色をそろえたワントーンも、大人らしく落ち着いた印象にまとまる。どの色を選んでも、羽織るだけで休日の装いが整う。

トレーサブルな羽毛と、日常使いにちょうどいい暖かさ。光沢を抑えた上質な表地と、街を移動する人のための丈と仕様。冬のアウターに求められる条件をひとつずつ確かめていくと、この2型はそのどれも取りこぼしていない。

それでいて価格は2万円台に収まる。羽織った瞬間に様になる佇まいと、中身を語れる確かさ。その両方を、無理なく手にできる1着だ。通勤の朝にはミドル丈を、休日の街にはショート丈を。都市の冬に向けたひとつの答えが、今年のナノ・ユニバースには用意されている。


NANO逸品100

ナノ・ユニバースが提案する、月刊連載コンテンツ。

フォーカスするのは、ただの1着ではありません。デザイン、素材、仕立て、そして着る人のスタイルを引き立てる存在感まで── そのすべてを兼ね備えた"逸品"を、毎月1品ずつ紹介していきます。

1品と逸品。その言葉を重ね合わせるように、この連載では「たった1つのアイテム」にじっくりと光を当てます。服づくりの背景にある思想やディテール、長く愛することができる理由、そして着こなしの可能性までを丁寧に紐解きながら、1着の価値を深く掘り下げていきます。

流行に流されるのではなく、時を重ねても魅力を失わない服。袖を通した瞬間に装いの軸となり、やがてワードローブの定番へと育っていく1着。そんな"逸品"を、ナノ・ユニバースの視点で厳選し、毎月1品ずつお届けします。

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